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4月10日

タロウはいつも家で、妄想の敵と戦っておられます。

俺も一人っ子でしたので、独り戦いゴッコは身に憶えがあるわけです。
ただ、俺は幼稚園児の時点で『仮面ライダー』や『スパイダーマン』(当時、日本製の実写版があった)をはじめ、 テレビばかり見ていましたので、マネしてゴッコ遊びをしたものです。
しかしタロウの場合は戦いモノの番組に興味が無く、ほとんど見ていないにもかかわらず、自らは日々戦っておられます。

そんな彼がここまでの人生で読んだ漫画が『ドラえもん』と『ダイの大冒険』なので、後者の影響大なのでしょう。

※『ダイの大冒険』・・・20年以上前に少年ジャンプで連載していた名作漫画。
勇者ダイと共に冒険の旅をする仲間の魔法使い『ポップ』の成長を描く。
全37巻ながら一番の見せ場が序盤の12巻に思えて仕方がない。
実家の押入に眠っていたものをタロウが見つけてバイブル化。


閑話休題。

彼の戦いゴッコは幼稚園の工作で作った謎の武器を手に敵を押し込んでいきますが、1〜2分おきに
「しまった!!?」
と叫んでは形勢を逆転される展開を延々と繰り返す寸劇です。

大人の目で見ると、たびたび「しまった!?」と裏をかかれる何とも格闘センスの無い主人公ですが、
「魔王の大群だーー!」などと奇抜すぎる戦いに身を投じていた二年前に比べると、ずいぶんまともになったものです。


彼にはオリジナルの必殺技があるらしく、ピンチになると
「ポイントスラッシュ!」
と叫びながら斬り込んでいきます。

まったく威力を感じさせない名前の必殺技ですが、どうやらかなりの破壊力なようで、彼のフェイバリットなのです。


そんな彼が昨晩の寸劇にて、
「こうなったら、あの技を出すしかない!」
などと言い出したので聞き耳を立てていると

「くらえ! バーコードスキャン!!」

とんでもない名前の新必殺技が出ました。


5月30日

よくテレビで裁判のニュースなんかを見ると、裁判を受ける被告の様子が絵で紹介されます。
これは裁判所内が撮影禁止だからなのは皆さんご存知の通りです。

ただこの絵というのがなかなかに微妙な絵が多くてですね、被告をよく知らない視聴者の一人である俺などは マスコミを常に疑ってかかるものですから、本当にこんな人でこんな表情だったのかな?などといぶかしんだりするわけです。

そんな折、今日のニュースで見かけたのが、元PL・西武・読売の清原の裁判の話題。

人の顔をなかなか憶えられない俺もさすがに野球好きとして清原は散々見てきましたので、姿かたちもよく知っているのです。
裁判風景のイラストがどれほど特徴や表情をとらえているのか楽しみに見たのです。


      


うん。。似ているような似ていないような。。。
(てか真ん中の人、描くならもう少ししっかり描いてやれよ)
他の局の絵も同じようなものでした。


これならやくみつる氏や河合じゅんじ氏に描いてもらった方が、日本人にはしっくりくると心底思いました。

    


6月10日

♪41歳の春だぁから〜〜♪

と思ってたら、もう夏でした。
かつてのヒーローたちの大半が、今ではもう年下なのです。。。



色んな意味で最近は仕事がハードでして、金曜の夜は0時台の最終電車、 そこに休日出勤を免れた脱力感に包まれる俺は、それはもう分かり易くぐったりと放心して座席に座っているわけです。


最寄り駅に停車するアナウンスを聞いて少し覚醒した頃、
俺の正面に立っていた見知らぬ人が、小型のタブレットを手から落としました。

バーーン! とタブレットが床に落ちたそこそこ大きな音で周りの数人が気付く。
落とした本人も、あっと慌ててタブレットを拾う。
落とした人はそれから電車を降りた後も、タブレットの画面を気にしていました。


だが、俺だけが知っている。

あのタブレットはダイレクトで床に落ちてはいない。
俺の右ひざにバウンドして落ちたのだ。

夢うつつとはいえ、とっさに声も出ない自分がうらめしい。
けっこうな痛みに耐えつつ、「せめて画面、割れてろ」と願ったあたりが、俺の器の小ささなのです。


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