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10月1日

『 余ったスープが主役になるよ。【サッポロ一番公式】の「袋麺」の食べ方がウマい 』

スマホに出てきたニュース記事のタイトルだ。

俺がサッポロ一番派であることをスマホが知っている気味の悪さにはもう慣れた。

とはいえ、俺のラーメンのスープが余ることはないので、試す機会はない。


10月11日

お台場にあった大きなファミレスにて、トイレに行こうとした。それには途中で狭い通路を通ることになるのだけど、ちょうどそのとき通路の向こう側から配膳ロボットがこちらへ向かって来た。
いかんせん狭い通路なので、歩いたまますれ違えない。仕方ないので俺は壁際によけた。
壁を背にしつつ、通り過ぎてゆくロボを見ながら思った。
もう人間の方がよけて、機械様が真ん中を通る時代になっていたんだね。


11月1日

大阪駅の地下ホーム。
特急くろしお乗り場のホームドアが、ネザーゲートにしか見えない。



12月1日

また腰痛が来た。
俺の抱える腰痛には二種類のものがある。

一つは運動したり、長時間移動したりすると痛くなる。痛みの強弱はあるが、何もしなくても腰は痛ダルかったりするので、慢性的な腰痛というやつだ。

そしてもう一つが、きっかけがよく分からないまま強烈な痛みを発症し、激痛に耐えながらでしか寝返りもうてない、立ち上がれない、トイレに行けない。身体の重心から外れて体重がかかると激痛が走るので、顔を洗うのも相当な覚悟を要する。そんな腰痛である。

今回の腰痛は後者である。
俺史上最強だったのが昨年初め頃に発症したもので、最初の一週間は着替えることもできなかった。
幸いにも今回は、そこまで絶望的な症状ではない。サポーターで腰を締め上げて座れば、何とかテレワークには耐えられる。お仕事は必ず出社しなければいけないあの時代であれば、間違いなく欠勤を選択していたが。良い時代になったということか。

とはいえ定時には終わらないのが今の仕事。定時前後の会議がまた多い。その頃にはもう
「一旦、寝転びたい!」
これだけを呪詛のように念じ続ける俺がいた。


12月5日

『 帯状疱疹 (たいじょうほうしん)』
ウチの家族がテレビCMで何度も見て、よくは知らないがヤバいものとだけ認識している病気の名前である。

気付いたのは一昨日、腰痛に侵された腰を締め上げているサポーターに沿うように、赤い発疹が左わき腹からヘソに向けて発症しだした。
それを家族に見せてみると、我が家のエセ医師たちは口をそろえて「帯状疱疹だ!」と診断した。

今日、短時間の移動なら何とか耐えられる程度に腰は回復した。そこで昼休み、昼食を返上して駅前の皮膚科へ行ってきた。

待合室に患者はそれなりの数がいたが、回転は先日行った内科よりはるかに速い。
『熱病を移されることもないし、医者をやるなら皮膚科になるのがワリが良いのかな』
などと絶対不可能な転職に心を躍らせているうちに、もう順番が回ってきた。

医師に経緯を話すと、それでは帯状疱疹の検査をしましょうと、取り出したるはインフルエンザの検査で鼻に突っ込まれるあの棒と酷似したプラスチックの棒。
脇腹の発疹をピンセットの先で破ると、そこにその棒をグリグリとねじ込まれた。
三ヶ所へのねじ込みに耐えたところで結果待ちのため待合室へ出さた。
再び呼ばれるまで五分もかかっただろうか、診察室に入って挨拶する俺に食い気味に告げられる結果発表。
「帯状疱疹です!」
この展開の速さ、椅子に座る前に追い出されそうな勢いを感じる。

何か聞いとかないと、と思った俺の質問が、「腰痛で締め上げたサポーターに沿って出てきたんですけど、因果関係なんてないですよね?」

すると医師の回答は、「腰痛自体が帯状疱疹の前兆かもしれません」

!?
突然の有力説浮。
稀にやってくるあの身動きをとることもままならない腰痛、なのに整形外科では異常なしと診断されるあの腰痛、その原因が帯状疱疹だというのか。
すると、次回から腰の激痛に見舞われた際には、皮膚科へ駆け込めということか。

『腰痛で皮膚科』

鼻で笑われる未来が見えるのだが、これは孔明の罠ではないのか?


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