「ラーメンマンは、95万パワー?」
「いや、97万パワーやで」
ラーメンマンの超人強度なんてものは、日本人の一般教養である。
「外に出るときは靴をはく」「電車に乗るには切符がいる」といったものと同じレベルの常識である。
そんなものを職場で聞いてくる方もどうかしてるが、即答したら周囲の失笑を買った。
周囲からすると、「おいおい、当たり前のことを何まじめに答えてるんだよ。からかわれてるんだよ」ってことなのだろうか。
するとそのあと、となりに座るS君が俺に言った。
「その97万パワーとか95万パワーの『万』って何なんすか。要らなくないっすか?」
これだから最近の若い子ときたら。
あれは経済学用語でいうところの『フレーミング効果』である。
栄養ドリンクのCMで、「タウリン1g配合!」とは言わず、「タウリン1000mg配合!」というアレです。
同じ強さの指標でも、桁を大きく言った方がスゴそうに聞こえるのが人間の性なのだ。
そんな経済学や人間行動学に精通している原作者が描き出す、日本を代表する漫画である『キン肉マン』。
日本文化を愛する人なら、鉄腕アトムの次くらいに知っていないといけない漫画なのに、彼は読んでいないのだ。
なんとも嘆かわしいことです。
まぁ俺も、『鉄腕アトム』読んだことないのだけど。
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