アメリカ人の実に半数以上が、肥満もしくはその兆候との調査結果が報告されている。
だが、これは恐らくアメリカに限った話ではなく、今では先進国全般が抱える社会問題であると思われる。
無論それは我が日本も例外ではなく、俺も例外ではなかったらしい。
約8ヵ月前、体力作りとダイエットを兼ねてランニングを始めるも5日で終了。
自らの熱しやすく冷めやすさに絶望したのもまだ記憶に新しいところだが、
近頃またも腹の付近の装甲が厚くなったような違和感から、いささか焦りを感じていた。
そして本日、会社の仲間達と焼肉を食した後に悲劇は起こった。
最近では腹に食い込み、もはや我が肉体とのシンクロ率100%を誇るベルトが切れた。
まさに腰の呪縛から解き放たれると同時に社会的転落の瞬間だった。
当初はベルトが外れたのかと思い、バックル部分を調べたが異常なし。
恐る恐る手探りで腰の周囲を調べていくと、左前方10時の部分で切断を確認。
精神肉体ともにあまりのダメージに、普段利用の大阪難波方面へ向かう電車に乗らず、
逆走して関西空港へ向かって旅に出ようかなどとの妄想と共に、半ば廃人と化して帰宅。
運動する訳でもなく、不摂生が具現化したような生活を繰り返していた頃は太ることもなく、
社会に出て以来、特に食べ過ぎるわけでもなく増量していく俺。
どうしたら痩せるのだろうか。
過ぎし日の細たる我が勇士は、うたかたの幻か。
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